中山道と北国街道 昔ながらの街並みや茶屋*
中山道六十九次のひとつ。中山道と北国街道の分岐宿として栄え、
元禄時代には旅籠屋71軒、茶屋18軒、商店28軒があったといわれます。
往時を偲ばせる桝形の茶屋や分去れの碑ほか、追分宿郷土館も見どころ。
また、旧脇本陣の油屋は多くの文人に愛され、堀辰雄の小説『菜穂子』『ふるさとびと』
に登場する牡丹屋という旅館のモデルとしても有名。
元禄時代には旅籠屋71軒、茶屋18軒、商店28軒があったといわれます。
往時を偲ばせる桝形の茶屋や分去れの碑ほか、追分宿郷土館も見どころ。
また、旧脇本陣の油屋は多くの文人に愛され、堀辰雄の小説『菜穂子』『ふるさとびと』
に登場する牡丹屋という旅館のモデルとしても有名。
吾輩わがはいは猫である
名前はまだ無い。
どこで生れたかとんと見当けんとうがつかぬ。
何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。
吾輩はここで始めて人間というものを見た。
しかもあとで聞くとそれは書生という人間中で一番獰悪どうあくな種族であったそうだ。
この書生というのは時々我々を捕つかまえて煮にて食うという話である。
しかしその当時は何という考もなかったから別段恐しいとも思わなかった。
ただ彼の掌てのひらに載せられてスーと持ち上げられた時何だかフワフワした感じがあったばかりである。
掌の上で少し落ちついて書生の顔を見たのがいわゆる人間というものの見始みはじめであろう。
この時妙なものだと思った感じが今でも残っている。
第一毛をもって装飾されべきはずの顔がつるつるしてまるで薬缶やかんだ。
その後ご猫にもだいぶ逢あったがこんな片輪かたわには一度も出会でくわした事がない。
のみならず顔の真中があまりに突起している。
そうしてその穴の中から時々ぷうぷうと煙けむりを吹く。
どうも咽むせぽくて実に弱った。
これが人間の飲む煙草たばこというものである事はようやくこの頃知った。
どこで生れたかとんと見当けんとうがつかぬ。
何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。
吾輩はここで始めて人間というものを見た。
しかもあとで聞くとそれは書生という人間中で一番獰悪どうあくな種族であったそうだ。
この書生というのは時々我々を捕つかまえて煮にて食うという話である。
しかしその当時は何という考もなかったから別段恐しいとも思わなかった。
ただ彼の掌てのひらに載せられてスーと持ち上げられた時何だかフワフワした感じがあったばかりである。
掌の上で少し落ちついて書生の顔を見たのがいわゆる人間というものの見始みはじめであろう。
この時妙なものだと思った感じが今でも残っている。
第一毛をもって装飾されべきはずの顔がつるつるしてまるで薬缶やかんだ。
その後ご猫にもだいぶ逢あったがこんな片輪かたわには一度も出会でくわした事がない。
のみならず顔の真中があまりに突起している。
そうしてその穴の中から時々ぷうぷうと煙けむりを吹く。
どうも咽むせぽくて実に弱った。
これが人間の飲む煙草たばこというものである事はようやくこの頃知った。
基本情報
名称
追分宿